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大雨の日であった。
それ故、何も考えずにランチを食べて、恵文社で本を眺めてパティスリータンドレスに向かったのである。

一乗寺の知る人ぞ知るケーキの名店パティスリータンドレス。

しばらくお休みをされていて、嘆く人も多かったが、やっとリニューアルOPENされた。
旧店名はベックルージュ。 こちらの方がぴんとくるだろうか。

人気なのは重々承知だったが、あまりにひどい雨、さすがにこんな日に来る人はいまいと
自分はさておいて思ったのだが、ドアを開けてびっくり。
カフェを楽しんでいるお嬢さん達が数組いるではないか。

おまけに既にショーケースには何も無く、なんてことだと思ったが、マダムに声をかけたら、
テイクアウトなら2種類用意できると伺ってほっとする。それほどに外はひどい雨だったのだ。
包んでくれるのを待っているとグループがやって来て、またまた驚く。
イートイン希望だったが、それはできないとのことで帰られた。
まだ閉店時間には3時間以上もある。恐るべしパティスリータンドレス。

マダムはゆっくりと大切にケーキを包んでくれた。
ちょっと散歩をしながら帰ろうと思ったので、保冷材を多めに入れてもらった。
カルテのような説明書と一緒に。
今日用意してもらったのはビジューとテ・エクラン。
偶然にも食べたかったケーキで、ちょっと嬉しくなる。

ビジュー630円。
2種類のピスターシュのムースと 赤い果実(野生いちご、赤すぐり フランボワーズ)のムース。
ひとくち食べたときからやさしい甘さと複雑な香りが口の中で踊る。
なんという滑らかなムース、次から次へと現れる味の面白さ。

空豆色の鮮やかな緑の中に現れる甘酸っぱいベリーのムースの華やかさ。これはすごい。

テ・エクラン590円。 アールグレイとチョコレートクリームキャラメリゼした香ばしいビスキュイ。
滑らかに説けるようなチョコレート数層に重なり合ったアールグレイムースやビスキュイ。
美しくこちらも色々な味の重なりが複雑だ。
これだけのケーキを作るパティシエはどんな方なのだろう。
丁寧に愛情を込め、質にこだわる故に、多くを作らないのだそうだ。素晴らしい。
この値段で当然だと思ったケーキは初めてだ。
足しげく通って、全種類食べてみたい欲望にかられている。
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